くうねるところにすむところ

24歳女性(独身)の他愛もない日常

ラディアント・ベイビー 6/21マチネ

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主演の柿澤勇人さんが21日のマチネ公演中にアキレス腱断裂。その後の東京公演の演出変更、大阪公演の中止が決定しました。
私はその怪我をしたという公演を観劇していました。そのときのことを書き留めておこうと思います。

 

1幕
はっきりとどのタイミングで怪我したのかは分からなかったんですが、序盤です。
割と早い段階で右脚をまっすぐ伸ばして移動しているのに気がついて。でも気のせいだと思っていたんです。
しかし、その不安は的中。
本来ならキースが一番高いステージの上から上手におりてきて、カルロスへお坊さんに祝祷を捧げるのを提案するいちゃつきシーンで、彼らが高いステージから降りてこないんです。ここで確信しました。これは立ち位置変えるほどの怪我をしているんだ、と。(でも、そのシーンからの流れの卒業プロムについてカルロスに茶化されて「ほんとやだ…」とキースが言うシーンはちゃんと下に降りてきてたんですよね〜。まぁしゃがむとき、右足は立てていましたけど。)

最初は気づくか気づかないかって感じだった脚も、目に見えて動かない様子が分かるようになり、正面の階段を登る際には芝居と見せて這って登るようになり、1幕なのに泣いているお客さんもチラホラ。わたしも見てられなくて泣いてました(笑)
柿澤くんの立ち位置も本当はやるはずの演出(アートアタックの下手へビラを巻く演出)もなくなっており、最小限の動きになるよう変わっていました。
とにかく#paradiseのシーンがくるまで心臓バクバクで、ほんとにはやく1幕おわれ!と思っていました。#paradiseの頃には殆どのお客様がきづいていたと思うので、いつもは少ない手拍子も「なんとかやり終えてほしい!」という思いからか大きな手拍子になっていました。

 

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2幕
なんとか1幕が終わり幕間。進行の確認のためということで開始が10分遅れました。1幕同様、立ち位置や衣装演出の変更あり。
知念さん、平間くん、洸平くん、真央くん、spiさん、汐見さんは負担をかけないように支えてくれていました。
特に印象的だったのがカルロスとキースのお別れのシーンでの洸平くんの行動。上手での#TOKYO POP SHOPの歌い始めのときにステージ下にキースも降りてくるはずなのですが、「降りてこなくていい!」とでもいうかのようにカルロスは2回ほど手と目でキースを静止しました。洸平くんが柿澤くんを止めた、のではなくあくまでカルロスがキースを止めた、と芝居の中でうまくやっていた洸平くん。さすがずっと一緒なだけあるなと思いました。

柿澤くんはといえば、2幕はもう諦めたのか、1幕では頑張って歩いて捌けていたところをけんけんで捌けるようになっていました(笑)高速けんけんなので大丈夫かよ…!とちがう心配をしました。

#Draw me a door前の「動けよ…!」って右足太ももをたたくキースがもう柿澤くんにしか見えなくて、キースがいまの柿澤くんと被っている気がして、もう途中からキースなんだか柿澤くんなんだか分からなくなりました。

 

カーテンコール
メインキャストは一番上のステージからは降りてこず。柿澤くんは泣いていました。口パクで「ごめんなさい(すいませんでした)」って言っていました。
わたしだったらほんとに悔しいしお客様に100パーセントを見せられなくてほんとに申し訳ないし、やりきれない、でも体も動かない、どうしたらいいかわからない気持ちでいっぱいだと思います。
でも限界のところまでの、いまできる精一杯を見せてくれたのは前日までの公演と変わらず。柿澤勇人という俳優さんの芝居にたいする熱量をすごく感じました。

 

まとめ
正直なところを言うと、観劇者としてこの公演では全く話の内容が頭に入ってこず、柿澤くんの状態ばかり気にしていましたから不完全燃焼感は否めません。
役者さんとしても、お客様にベストなコンディションで芝居を見せられなかったこと、ほんとは見せられるはずだった、作れるはずだった世界を作れなかったこと、本当に悔しいと思います。でも、柿澤くんもカンパニーも泣くくらい悔しいならもう一度観せてほしいです、キースの世界を。

なにはともあれ、私にとっていままで見た演劇の中で一番素晴らしい作品でした。最高のエンターテイメントでした。大好きな世界でした。ぜひ再演していただきたい作品です。とにもかくにもキャストの皆さんお疲れ様でした!